米中高官が7時間会談 中国がロシア支援なら米国は「対抗措置」示唆

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ワシントン=園田耕司 北京=冨名腰隆
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 サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国外交部門トップの楊潔篪(ヤンチエチー)政治局員は14日、ローマで会談した。米政権高官によると、サリバン氏は楊氏に対して中国とロシアの密接な関係について懸念を伝え、中国が対ロ支援をした場合に米国が対抗措置を取ることを示唆した。

 会談後に電話会見した米政権高官によると、サリバン、楊両氏の会談は7時間にわたって行われた。欧米諸国がロシアへの厳しい経済制裁を科す中、中国は制裁に反対の立場を取っており、米政権は中国が対ロ支援に踏み切る可能性があるとみて警戒している。高官は「米国は中国とロシアとの連携に深い懸念をもっている」と指摘。「サリバン氏は(楊氏に対し)これらの懸念とともに、行動には結果が伴うことを率直に伝えた」と語った。

 一方、中国外務省の発表によると、楊氏は「ウクライナ情勢の今日の状況は、中国も見たくないものだ」と説明。「中国は和平交渉の促進に力を入れており、国際社会が情勢をできるだけ早くトーンダウンさせるべきだ。大規模な人道危機を防ぐべきで、中国はすでにウクライナに緊急支援を提供している」と訴えた。

 また、楊氏は「ウクライナ問…

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    吉岡桂子
    (朝日新聞記者=中国など国際関係)
    2022年3月15日10時6分 投稿
    【視点】

    中国外交部の会談後の発表文には、「一方的な制裁に反対する」という言葉がありませんでした。中国政府は、主権と領土の尊重、国連憲章の趣旨と原則の順守、対話などとあわせて、米欧日などによる対ロ制裁の発動以来ずっと言っていたフレーズです。 ロシア

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    福田直之
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長=経済)
    2022年3月15日11時54分 投稿
    【視点】

     ウクライナ情勢にからみ、潜在的に存在するのが中国ビジネスに関するリスクです。中国はロシアのウクライナ侵攻にあいまいな姿勢をとってきました。ただ、ここに来てロシアが中国に対し軍事装備品や経済的支援を求めた、との米政府当局者の話を複数の米メデ

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