芝浦工大柏、白百合学園は防災から出題 中学入試分析・中編

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塩入彩 川口敦子
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 コロナ下にもかかわらず、受験者数が伸びた今年の首都圏の中学入試。教科別に出題傾向を振り返るシリーズの2回目は、国語と理科。新型コロナのほか、防災、ジェンダーなど時代に即したテーマをとりあげた出題もあった。(塩入彩、川口敦子)

 今年の国語の出題を分析した、栄光ゼミナールの中学入試指導責任者の竹本稔さんは「単独の文章ではなく、会話形式にして出題するなど、各校工夫が見られた。単発の知識を問うより読み解く力をみる学校が増えた印象だ」と話す。公立中高一貫校が第1志望の受験生を視野に入れ、似たタイプの問題を出す私立中は一定数ある。中堅校を中心に、一般的な問題と、公立一貫校のような適性検査型の問題との複合型の出題は今後も続きそうだ。

 竹本さんは「入試問題は学校からのメッセージだとよく言われますが、頌栄女子学院が出題した、『誤解を生みやすいことば』について記述させる問題はまさにそうです」と話す。「適当」「結構です」「鳥肌が立つ」の三つの言葉の中から一つを選び、どのような誤解がなぜ起こるのかを答えさせた。LINEを使う子どもも多いだけに、言葉のニュアンスを大切にしてほしいと伝えたいのではないか、とみる。

 出典やテーマでは、いま課題となっていることについて正面から扱う学校が目立った。竹本さんによると、新型コロナに触れる出題が昨年より目立った印象があるという。海城では新聞記事を引用し、小問の中で「コロナ禍」「距離」という言葉を用いて筆者が何が問題と思っているかを記述させた。

 東日本大震災に触れた学校もあった。麻布と海城では、同じ小説の同じ部分が抜粋され、主人公の心の機微について記述させる問題を出した。

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