第14回西部リビウ、築100年超の劇場が避難所に 「今できることを」

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リビウ=遠藤啓生
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 ロシアの侵攻後、ウクライナ東部などから大勢の避難民が押し寄せている西部リビウの劇場が、避難所として開放されている。客席を宿泊スペースにし、欧州の劇場の支援も得ながら、家を追われた同胞たちを支えている。

 リビウ中心部にある劇場「レスクルバス」。もともと、1910年ごろに設計され、映画館、芸術劇場や大衆劇場などとして変遷を重ねてきた。普段は約100ある客席の多くが埋まる人気の劇場で、侵攻直前の2月23日までは現代劇を公演していた。3月も約20公演が予定されていた。

 侵攻の翌日、支配人のオレッグ・テセオナさん(59)は、ロシアの攻撃が激しいウクライナ東部から大勢の人が避難して来ると直感し、役者仲間と相談して、劇場を避難所として開放することを決めた。役者としてスタートしたのも、この劇場だった。「劇場のみんなで、今できることを考えた」と話す。

 ボランティアとともに、劇場の小道具や椅子などを使って簡易ベッドを作った。2月27日からは、家族連れ25人をメインホールと2階バルコニーで受け入れている。舞台の上には、寄付されたおもちゃなどが置いてあり、子どもたちが遊べるスペースになっている。

 避難所で受付をしている旅行代理店勤務のマキシム・デニソワさん(26)は、リビウからポーランドへの避難を希望する人たちの相談にも乗っている。

 現代劇が好きで、市内の劇場に毎月のように通っていた。ロシア軍の侵攻後、レスクルバスがボランティアを募集していることを知り、1日から参加している。「この街は演劇の街。困難の中にいる人たちを前に、劇場が何もしないわけにはいかない」

 リビウには、リビウ州や民間…

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