南海トラフ大地震想定の広域避難計画を策定 三重・津

菊地洋行
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 津市は南海トラフ地震による津波を想定した広域避難計画を策定した。人口が集中する東側沿岸部の住民や通勤者など計10万7千人が、標高の高い西側にどう避難したらよいのか、行政はどう役割を果たすのかを定めた。計画策定は県内の市では初めてという。

 津市によると、南海トラフ地震が発生した場合、沿岸部に約67分で津波が到達。津波の高さは最大7メートルに達し、浸水面積は1960ヘクタールに及ぶ。市は2020年3月、広域避難の基本方針を定め、避難スペース確保のためゴルフ場といった民間事業者と協定を結ぶなど、具体的な避難計画策定に向けて準備を進めた。安全な指定避難所に入りきれない人をどう移送するのか検討を重ねてきた。

 市は、浸水が予想される広域避難対象地域を北部、中北部、中南部、南部の4地域に分け、地区(小学校区)で明示。大津波が予想される場合、まずは高台にある公園、広場、一時避難場所といった安全な場所や津波避難ビルなどに避難する。

 津波到達後、浸水や家屋倒壊などで帰宅できない人たちは、拠点となる8カ所の第1広域避難施設に徒歩で向かう。収容しきれない人が出た場合、市は公用バスや徒歩などで西側5キロ圏内の第2広域避難施設(43カ所)や、さらに西側の第3広域避難施設(73カ所)に移送するという。

 徒歩による移動が困難で、やむなく自動車で避難した人向けには、市産業・スポーツセンターなど公共の2施設と工場やゴルフ場など民間の27施設を用意。計画では、津波警報、大津波警報の発表後、1週間以内にすべての移送を終えるという。

 前葉泰幸市長は「仕組みを決めておけば大きなポテンシャルになる。豪雨や高潮にも対応できる」と述べた。今後、住民が参加して避難、移送の訓練も行う方向という。(菊地洋行)