国内外の災害被災地で仮設住宅などをつくってきた建築家の坂茂さん(64)が今月11日から、ポーランド東部のヘウム市に滞在した。ロシアの侵攻からポーランドに逃れてきたウクライナの人々が過ごす避難所に、紙管を使った間仕切りを設置するためだ。坂さんはどう動き、現地で何を見たのか。
「避難民といっても、我々と変わらない普通の人たちです。災害被災地と同様、家族単位で動いていますが、夫や父親がほとんどいないということが全然違う状況ですね。男性は原則として出国できないので。そこは悲惨です」。坂さんは現地の様子をこう語る。
さらに、「地震でも水害でも、自然災害なら避難後は収まってゆきますが、今回は戦争がいつまで続くか分からず、精神状態は全く異なると思います」とも。
ウクライナの人々が国内外に…
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この記事を読んで、「あ、やっぱりまた行ってる」と思いました。坂さんにはスマトラ沖津波復興支援のスリランカ、2010年に大地震に襲われたハイチ、2013年のフィリピン・レイテ島の台風ハイヤン復興支援の際にお会いしました。世界的な建築の巨匠のイ
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坂さんは、「建築界のノーベル賞」と言われるプリツカー賞も受賞した世界的建築家です。記事にもあるように、ルワンダ紛争や阪神淡路大震災の時から、建築という視点からの現地支援を続け、建築の権力性について問うてきた人でもあります。東日本大震災の津波