復興大臣、歴代10人の通信簿 「在庫」と呼ばれぬ時代もあった…

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アナザーノート 大月規義編集委員

 復興庁が満10年を迎えた。復興相もちょうど10人になる。歴代復興相を取材してきた私の独断と偏見で「通信簿」を付けつつ、震災11年を振り返りたい。この際、知られざるエピソードにも触れたいと思う。ちなみに、通信簿の評価の最高は☆☆☆(星みっつ!)。評価の基準は「被災者のためになったか」と言いたいところだが、どちらかというと、やや主観だ。

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予言は的中

 初代復興相は民主党政権下の平野達男氏。参院議員として長らく国政で活躍したものの、2019年の参院選で落選した。平野氏は岩手県出身。被災地に甘くなると思われがちだが、元官僚として厳しい一面も見せた。

 岩手県の地元・陸前高田市などが被災地で将来人口が増えるとの大規模な土地区画整理復興計画を立てたところ、平野氏はこう言って問題視した。「空き地ばかりになり、後世に汚点を残さないか」。被災自治体で反発の声が上がり、宮城県知事からは「復興庁は(予算を絞る)査定庁だ」と抗議された。

 だが、いま津波被災地のかさ上げ事業が「空き地」ばかりという事実と照らし合わせると、平野氏の予言は的中したとも言える。大型公共事業に歯止めをきかせられなかったのは、当時としてはやむを得なかったか。評価は「☆☆」。

 2代目の根本匠氏は印象が薄いかも知れない。福島県出身の衆院議員。自民党が政権を奪い返した後、最初の復興相となった。

 当時19兆円だった復興予算を25兆円に増額。安倍晋三首相(当時)自らが前面に出て、復興に取り組む姿勢をアピールする中での大盤振る舞いだった。安倍氏の盟友でもある根本氏は、結果としその陰に隠れた格好になった。復興相としては気の毒だが「☆」とさせていただく。

 もっとも当時の財務官僚によると、復興予算は「民主党政権の終わりには19兆円では足りないという見通しになっており、政権交代が起きなくても増額せざるを得なかった」のが真相のようでもある。

しつけの厳しい親

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