T-BOLAN、28年ぶりアルバム 失ったもの、気づいたもの
ロックバンド「T-BOLAN」が14日、約28年ぶりに6枚目のオリジナルアルバムを発表した。1990年代に「Bye For Now」などのヒット曲を連発した4人は今50代。体の不調に直面したり、コロナ禍でライブ活動をできない時期もあったりした中で、新作を「愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~」と名付けた真意は何か。世に届けたい思いを込めたというボーカルの森友嵐士さんに聞いた。
声を取り戻すまで14年
新作は「A BRA CADA BRA~道標~」から3曲続けてパワフルなロックボーカルで始まり、「ずっと君を」「京恋唄」などのバラードはつやのある声でしっとりと歌い上げる。
かつて森友さんは心因性発声障害と診断され、声を取り戻すまでに14年かかった。2016年末のT-BOLAN完全復活宣言後、精力的にライブをこなしてきた森友さんは今、どの曲も自在に歌いこなしているように聞こえる。
「歌うだけなら完全復活だけど、90年代の歌を取り戻したわけじゃない。歌えなくなって10年過ぎた頃から、闇の中でゼロから新しい歌を作り直して、届けてきました。一方で僕はずっと挑戦を続けていて、人生が終わる前までには、あの頃と全く同じ歌声、歌い方をもう一度再現したいとも思っています」
ライブ活動を続けて新曲が増えてきた頃、コロナ禍に突入したことと、デビュー30周年を迎えたことが、アルバムを作るきっかけに。「まず頭に浮かんだテーマは『愛』でしたね」