学校のカラーコピー機は私費負担? 現場のプロが明かすグレーゾーン
小中学校で使われるお金の公費と私費の負担区分があいまいだったとして、高松市教育委員会はこのほど学校徴収金の試行版のマニュアルを作成した。義務教育で必要なお金は、誰がどこまで出すべきなのか。現役の学校事務職員で、「隠れ教育費」の著書がある柳澤靖明さん(40)に話を聞いた。
――学校事務職員として、どんな仕事をされているのでしょうか。
埼玉県で20年、市立小・中の学校事務職員を務めています。総務・財務の専門性を生かして学校運営や経営にコミットする職です。学校運営に使う様々なお金について、これは自治体予算の公費で措置すべきもの、あるいは保護者に負担をお願いしなければならないもの(私費)という仕分けもします。
――高松市では、私費であるPTA会費が学校運営に充てられ、机やいす、ロッカー、チョーク、傘立てにも支出されていることが市議の調査で明らかになりました。
自治体によっては、マニュアル等により負担区分が示されている場合もありますが、それでもすべての費用に対して細かく決められているわけではありません。学校運営費といっても水道光熱費や実技教科の実習材料費、計算ドリルや修学旅行にかかる費用もあり、幅広い。なんとなく、計算ドリルは私費でもいいけど、水道代が私費になったら、保護者として疑問だと思います。
――明確な線引きはできないのでしょうか。
判断が揺れるグレーゾーンが…
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- 【視点】
「隠れ教育費」とは見事な命名です。 公立学校の教育はとくに私費負担が最小限に抑えられていると考えられがちです。 生徒の服装を私服もOKにするという議論では「私服はお金がかかる」。部活動を学校から切り離して地域移行しようという議論では「月