26人犠牲への「なぜ」、全容解明されぬまま 遺族「兄は帰らない」

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 26人もの命が奪われた放火事件から3カ月。大阪府警は16日、事件で死亡した男を殺人容疑などで書類送検した。困窮やクリニック通院者へのねたみを動機と推定したが、全容の解明は不可能なまま捜査は終結する。遺族らには改めて怒りや無念さが広がった。

 「やれる捜査は尽くしたつもりだが、結果的に動機を解明できないジレンマのようなものはある」。書類送検の報道発表で、府警の冨山浩次・捜査1課長は言葉を選ぶように話した。

 送検されたのは大阪市西淀川区の無職、谷本盛雄容疑者(当時61)。事件で意識不明となり、13日後に死亡した。

 事件発生から3カ月間の捜査で、捜査本部は約200人から事情を聴いた。谷本容疑者がスマートフォンに残したメモと、足取りを追う捜査で詳細な時系列表を作り、精神鑑定に明るい大学教授の見解も聞いた。

府警幹部「断定はできない」

 孤立した生活を送っていた谷本容疑者には、犯行に至る経緯を知る近しい人がいなかった。冨山課長は記者の質問に「限られた情報源しかなく断定はできない」と繰り返しながら、府警の推定を説明。「ご遺族に寄り添いながら捜査を尽くした」と話した。

 事件では、クリニックの西沢弘太郎院長(当時49)らスタッフと通院患者ら計26人が犠牲になった。

 「谷本容疑者の気持ちは今も分からないままでやるせない。事件を忘れないことが私たちにできるせめてものことではないか」。西沢院長が大阪府松原市で開いていたクリニックに通っていた島忠司さん(44)は話す。

 心の不調で勤務先を退職し…

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