職場復帰めざす通院者にねたみか 26人放火殺人事件の捜査終結

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 大阪市北区のクリニックで昨年12月に発生し、26人が犠牲になった放火殺人事件で、大阪府警は16日、無職の谷本盛雄容疑者(当時61)を殺人と殺人未遂、現住建造物等放火などの疑いで容疑者死亡のまま書類送検し、発表した。大阪地検不起訴とする見込みで、捜査は3カ月で終結する。

 谷本容疑者は事件で意識不明となり、事情聴取されないまま昨年12月30日に死亡。府警は動機について、出所後に再就職できず困窮し、職場復帰を目指すクリニックへの通院者に劣等感やねたみを抱き、大量殺人を狙ったと推定した。

 送検容疑は昨年12月17日午前10時16分ごろ、大阪市北区曽根崎新地1丁目の8階建て「堂島北ビル」の4階クリニック内にいた29人を殺そうとガソリンをまいて火を放ち、西沢弘太郎院長(当時49)ら26人を殺害したなどというもの。3人は無事だった。谷本容疑者を含め、27人全員の死因が一酸化炭素中毒だった。

 捜査1課によると、谷本容疑者は2017年3月、事件現場となったクリニックへの通院を開始。職場復帰を目指す「リワークプログラム」の参加者が多い金曜日を中心に、2週間に1度の頻度で通っていた。

 長男に対する殺人未遂事件で服役して出所した15年以降、家族や友人との交流は確認できなかった。就職を希望したが、服役のため履歴書に空欄ができることを悩んでいたといい、クリニックから紹介された就労相談窓口を訪れることもなかったという。

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