母に漏らした苦悩「大関って…」 もし転落しても終わりじゃない

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松本龍三郎
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 顔には生気がない。大丈夫なのか、大関。3度目のカド番で迎えた今場所、正代は初日から何一つ見せ場を作れていない。

 この日もあっけなく敗れた。宇良に左腕をたぐられると、簡単に体勢が崩れた。背後を取られると、粘ることもできずに、俵の外へ送り出された。

 初日から4連敗。負け残りの土俵下では、暗く悲しそうな表情を浮かべ、ボーッとうつむき加減に一点を見つめた。取組後のオンライン取材には4日続けて姿を見せなかった。

 2月上旬、新型コロナウイルスに感染し、場所前には「何もできない期間が10日間あったので、体力的に落ちている」と語っていた。状態は万全にはほど遠いことがうかがえる。

 現行のカド番制度になった1969年名古屋場所以降、カド番大関が初日から4連敗するのは霧島(陸奥親方)と並んでワースト。霧島はその場所で大関の地位を失った。不名誉な記録はすなわち、関脇への転落がぐっと近づいたことを意味する。

 大関として土俵に立ったのは2020年11月場所からだ。ほとんどの場所で優勝争いに絡めず、最後に2桁勝利を挙げてから1年余りになる。熊本県宇土市の実家では、両親や93歳の祖母・正代正代(まさよ)さんが、テレビのなかの苦しむ大関を見守っている。正代(まさよ)さんも心配しているという。

 母・正代理恵さん(57)は、昨年九州場所後に実家へ帰省した息子が、ぽろっとこぼした言葉を覚えている。

 「大関っていうのは、きつい…

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