第58回ウソを意図的に流すロシア 生物兵器をめぐるプロパガンダと長い歴史

有料記事ウクライナ情勢

ニューヨーク=藤原学思
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 「ウクライナには生物兵器の研究施設があり、米国がそれを支援している」。ロシアがそんな主張をしています。国連安全保障理事会では、旧日本軍の細菌戦部隊「731部隊」にも言及し、米国を非難しました。

 米メリーランド大国際安全保障研究所で上級研究員を務め、旧ソ連・ロシアにおける生物兵器や化学兵器と偽情報の歴史に詳しいミルトン・ライテンバーグ氏は、ロシアのこうした訴えには根拠がなく、長年にわたるプロパガンダの一環だと説明します。

 ――今回のロシアの主張を聞いて、驚きましたか。あるいはある程度予想できたものでしょうか。

 ソ連時代を振り返れば、1949年から同様のことをやってきました。私が長年、扱ってきたテーマです。そういう意味では驚くべきではなかったのでしょう。新型コロナウイルスをめぐっても、ロシアは2020年から「米国の情報機関や製薬会社が背後にいる」といったような偽情報を流してきましたから。

 ただ、ウクライナの侵攻でそうしたプロパガンダを使うというのは驚きでした。つまり、戦争のプログラムの一部として使うことは予想していませんでした。

「英国がやった」「NATOがやった」「自分で飲んだ」

 ――ロシアが現在展開しているプロパガンダは、過去と同じ戦術の使い回し、ととらえていいのでしょうか。

 そうですね。ロシア初代大統領のエリツィンの時代(任期=91~99年)はそこまでひどくありませんでした。ただ、プーチン時代になってからは、国内外の政策でそれが基本的な側面になりました。「ウソ、ウソ、ウソ」です。

 2006年には、アレクサン…

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