東北新幹線は3月末の全面復旧困難 震度6強、広範囲でインフラ打撃

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 福島県沖を震源とする地震が16日午後11時36分に発生し、宮城、福島両県では最大震度6強を観測。一時津波注意報も出された。両県のほか、首都圏も含む広範囲でインフラが打撃を受けた。電気や水道、高速道路への影響は17日も続き、脱線した東北新幹線は復旧の見通しが立っていない。企業の工場が停止に追い込まれるなど、経済や物流にも影響が出た。

 停電は地震直後から東北や首都圏の広範囲で発生し、一時220万軒超に及んだ。

 東北新幹線は「やまびこ223号」の脱線の影響で、那須塩原―盛岡間で17日の始発から運転を見合わせた。JR東日本によると、脱線の調査や車両の撤去などで、3月末までの全面復旧は難しいという。調査に入った国の運輸安全委員会の鉄道事故調査官は「レール上に『脱線痕』がなく、走行中の脱線ではない可能性が高い」と話した。

 高速道路では、東北道や三陸道など最大11路線の一部区間で通行止めになった。常磐道の新地インターチェンジ(IC)―山元IC間上り線では幅約30センチ、長さ十数メートルのひび割れが発生。常磐道の通行止めの解除は18日になる見込みだ。

 断水も相次いだ。厚生労働省によると、岩手、宮城、福島、埼玉、千葉の5県で最大1万7242戸が断水した。松野博一官房長官は17日、宮城県と福島県の知事から給水支援に関する災害派遣要請があり、自衛隊の部隊を派遣する方針を明らかにした。

 製造業や物流にも影響した。震度6強を観測した宮城県登米市にある電子部品大手・村田製作所の工場では、地震発生後に火災が発生。従業員らに被害はないが、原因を調べている。

 半導体大手ルネサスエレクトロニクスは、那珂工場(茨城県ひたちなか市)や高崎工場(群馬県高崎市)の操業をストップ。トヨタ自動車東日本は17日、宮城大衡工場(宮城県大衡村)と岩手工場(岩手県金ケ崎町)の生産ラインを一時停止した。ビール大手のアサヒビールサッポロビールキリンビールの3社は福島県や宮城県の工場で生産を停止し、コンビニエンスストアでは休業が相次いだ。

 地震による死者数は17日夕時点で3人。政府や各自治体の説明によると午前の時点では4人だったが、宮城県塩釜市の80代男性について、地震との関係が確認できなかったという。総務省消防庁によると、負傷者は、宮城や福島など11県で計161人。避難指示は少なくとも宮城、福島両県の16市町の約2万2千世帯、約5万人に出された。住宅は宮城、秋田、福島の3県で計8棟が一部損壊した。火災は宮城、福島、埼玉の3県で計12件発生した。

 気象庁によると、地震の震源の深さは57キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・4。震度6強は宮城県登米市、蔵王町、福島県相馬市、南相馬市、国見町の5市町で観測された。