勝利至上主義を考える
全日本柔道連盟(全柔連)が、毎年夏に開催していた全国小学生学年別大会を2022年度から廃止することが分かった。
1月の理事会で報告され、今月14日付で都道府県連盟宛てに廃止を通知した。通知には「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」と理由が書かれている。
04年度から始まったこの大会は、全柔連がただ一つ単独主催する小学生の全国大会。5、6年生が対象の個人戦で、重量級と軽量級に分かれて争われる。
関係者によると、指導者が子どもに減量を強いたり、組み手争いに終始する試合があったりした。判定を巡り指導者や保護者が審判に罵声を浴びせることもあったという。全柔連幹部は「大人が、子どもの将来ではなく、眼前の勝敗に拘泥する傾向があった。見つめ直す契機にしてほしい」と話す。
減量強いられ不眠に
全柔連は代替イベントとして…
【視点】この全柔連の決断は、子供の教育を第一に考えたスポーツ環境を整える意味で大きな一歩だと思います。 ゆくゆくはすべてのスポーツにおいて小学生の全国大会はやめるべきだと私は考えています。成長途上にある児童に、勝利だけを追求する競い合いはほと
【視点】競争のなかにおいてさえも他人と自分を比べない強さを身につけるように導くのが大人の役割であるはずなのに、その大人が前のめりになってしまう。スポーツでも音楽でも受験でもいたるところで起こっています。 以下、拙著『なぜ中学受験するのか?』から抜