卒業まで使ったランドセル アフガニスタンの子どもたちへ
福岡雙葉小学校(福岡市中央区)の6年生が卒業を機に、アフガニスタンの子どもたちに向け、使い続けたランドセルを送った。15日、同校で式典があった。
雙葉小は以前から、世界の子どもたちにランドセルを送るボランティアに取り組もうと準備してきた。このたび、支援事業をしている国際ソロプチミスト福岡―西の協力を得て、初めて実現した。
河野千春校長は2月、「志の教室」と題して6年生に授業をした。授業では、険しい山道を何時間もかけて通学するアフガンの子どもたちや、復興に生涯をかけた福岡市出身で医師の故中村哲さんのエピソード、小4の国語で学ぶ「ランドセルは海を越えて」を紹介。児童らの関心も高まり、卒業で使い終わるランドセルを送ることになった。
児童のきょうだいが使ったランドセルも合わせ、集まったのは44個。児童からは「日本では当たり前のようにランドセルを使って学べるが、世界では学ぶことができない国や地域がたくさんあると知り、身近でできるボランティアに参加してみたかった」「手元からなくなるのは少しさびしい気持ちもするが、新天地で大切に使ってほしい」といった感想が寄せられた。
河野校長は「ランドセルを送るボランティアを通じ、助け合う精神を育むほか、視点を海外に向けたときに、自分たちの力をどのように使うことができるのか、学ぶ機会を得られたと思う」と話した。
児童に贈られた感謝状には、こう記されている。
あなたの背中で見守ってくれていた大切なランドセルを 次に必要としてくれるお友達へバトンタッチしました
あなたのランドセルは新しい場所で きっと新しい誰かの 新しい学校生活を見守ってくれることと思います(前田伸也)
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