ロシア軍によるウクライナ侵攻が激化するなか、岸田文雄首相は19日夜、インドのモディ首相と会談し、ウクライナ情勢について議論した。日米が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想や、日米豪印4カ国(クアッド)の枠組みなど、対中国では共闘する両国だが、ロシアをめぐっては隔たりが大きい。
「世界は今、国際秩序の根幹を揺るがす事態に直面している。こうした状況だからこそ、民主主義や法の支配といった基本的な価値を共有する日本とインドが、『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けて緊密に連携していく重要性は格段に増している」。首脳会談後の共同記者発表で、首相はこう語った。
昨年10月の就任後、バイデン米大統領や豪州のモリソン首相との対面での首脳会談を模索したが、オミクロン株の感染拡大で断念。「岸田外交」の事実上の始動となる訪問先に、首相はインドを選んだ。念頭にあったのはロシアと中国だ。
今春には日本でクアッド首脳…
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