九州国際大付、緊迫する場面でも光った堅守 遊撃手は公式戦失策ゼロ

前田伸也、八鍬耕造
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 第94回選抜高校野球大会が19日に兵庫県西宮市阪神甲子園球場で開幕し、第3試合に登場した九州国際大付はクラーク国際(北海道)に延長十回、サヨナラ勝ちを収めた。九州国際大付は24日の2回戦で、広陵(広島)と敦賀気比(福井)の勝者と対戦する。

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 2―2の同点で迎えた八回1死、相手打者が放った鋭い打球がエース香西一希投手(3年)のグラブに当たり、後方に転がった。

 「内野安打になるかもしれない」

 香西投手の一瞬の不安を吹き飛ばしたのが、遊撃手の尾崎悠斗選手(3年)だ。素早く反応し、体をねじるように球を拾う。最後は勢い余ってグラウンドに突っ伏しながら、送球は正確に一塁手の佐倉侠史朗選手(2年)のミットに届き、アウトになった。

 普段は華麗な守備を見せる尾崎選手のユニホームが土まみれになった。「力が入ってしまった。試合の流れを変えたくなかった」。相手の上位打線につながる場面で、「出塁させたくない走者だった」と香西投手。力んでも崩れない堅い守備が大舞台でも生きた。

 4番の佐倉選手を中心に打撃のチームと評されるが、楠城徹監督は守備力を重視し、守備からリズムをつくるチーム作りにこだわる。「打撃は水物というのは百も承知で、いつでも頼りになるのが守備。ひと冬かけて、みっちり練習させてきた」と楠城監督は話す。

 尾崎選手は新チームになってからの公式戦で失策ゼロ。この日も六つの打球をさばき、安打性の当たりもアウトにした。「守備範囲が広く、送球にぶれがない。尾崎の存在は大きい」と監督の信頼もあつい。

 この日は尾崎選手以外の守備陣も随所で好プレーを見せた。香西投手が変化球で打ち取り、野手が鉄壁の守りで支える。九州国際大付のリズムが存分に出た試合だった。(前田伸也、八鍬耕造)