県広報コンクール 特選に安来市と大田市

杉山匡史
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 県広報コンクールで、島根県安来市が広報紙と写真、大田市が映像で今年度の特選になった。硬い印象の行政情報をわかりやすく、魅力的に伝えたいとの思いと、工夫の積み重ねが評価につながった。他の入選作と共に県代表として全国大会に出品された。(杉山匡史)

 安来市は広報紙部門で広報やすぎ「どげなかね」(12月号)が2013年以来8年ぶり、広報写真部門(組み写真)は全国コンクールでも特選(総務大臣賞)となった18年以来、3年ぶりの受賞となった。

 12月号は地元ケーブルテレビ開局10周年を取り上げた。取材や収録の様子、制作現場の裏側などをコマ送りのような写真とインタビューなどを交えて紹介。市民の声や番組作りに参加する地元の二つの高校の生徒たちの様子などもあわせ、6ページにわたって特集した。

 組み写真は「なかうみマラソン」代替大会を取り上げ、参加者の表情や裏方の様子など計30枚を組み合わせて編集した。

 制作に携わるのは、担当2年目の秘書広報課係長の石倉司さん(47)と4年目の金築(かねちく)旬さん(29)のコンビ。行政情報は各課の担当だが、企画ものは2人が中心となって進める。

 「ネタ」は新聞やテレビも参考にするが、基本は市内を回って様々な話を聞く中で探す。2人に共通するのが取材相手への思いやりと写真のこだわりだ。核心から入らず、緊張をほぐしてから聞くように努める。写真は「中途半端では伝わらない」と一瞬を大切にし、背景にも気を配る。

 石倉さんは「歴代担当者の指導や蓄積が生かせた。これからも市民に伝える、伝わる広報紙を作っていきたい」、金築さんは「分かりやすく伝えることを心がけていく」と喜び、コロナ禍で取材に協力してくれた市民に感謝していた。

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 大田市は映像部門で、市の魅力を伝えるウェブドラマ「oda/side-B」(約9分)が2013年以来、8年ぶりの特選となった。「ユニークな構成で観光地を紹介し、質も高い」と評された。

 作品は2部構成。出張で訪れた保守的な社会人が主人公の「side-A」と、元彼を追いかけてきた女性の「side-B」がある。

 2作品とも俳優の三吉彩花さんが主役を演じ、観光地や地元の人との触れ合いなどを伝えながら、旅の良さなどを再発見する。このうち、国立公園・三瓶山や小豆原埋没林、石見神楽公演などを紹介し、元彼と再会した主人公が新たな思いをつぶやく「B」が特選に選ばれた。

 市によると、コロナ収束後の来訪などを見据え、短時間でも市の魅力が伝わる内容にしたといい、受託した映像会社(東京都)の代表の妻は市出身という縁もあった。英語、中国語版も作り、外国人にも広まることを期待している。

 観光振興課の尾添健太さん(29)は「市を理解してもらう手段として分かりやすい。多くの人に見てもらって訪れるきっかけになれば」。2作品は「大田市観光サイト」で見られる。

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 県広報コンクールは2021年に県内の自治体が刊行した広報媒体が審査の対象。「広報紙」(市、町村)と「ウェブサイト」(市)、「広報写真」(1枚写真、組み写真)、「映像」、「広報企画」の5部門に8市町から27作品の応募があり、11作品が特選・入選となった。このうち9作品が22年の全国広報コンクールに出品された。