高安が取り戻したパワフルボディー 稀勢の里がいなくても

松本龍三郎
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 平幕の高安がただ一人8連勝し、自身5年ぶりに中日で勝ち越した。3大関は、前日に続いてそろって白星。新小結豊昇龍を圧倒した新大関御嶽海と、新関脇若隆景、平幕琴ノ若の3人が1敗を守った。大阪出身の宇良は7敗目を喫した。

大関時代の全盛期並み、183キロボディー 苦しい稽古で追い込む

 大関経験者の32歳が、かつて誇ったパワフルな体を取り戻しつつある。

 東前頭7枚目の高安だ。「体重は大関時代に戻った。目的を持ってしっかり増やし、体調を整えてきた」と自負する。

 所属部屋に新型コロナウイルス感染者が出た影響で、初場所は全休となった。早々に気持ちを切り替え、春場所に向けて鍛錬を重ねてきた。

 大関まで引き揚げてくれた二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)との三番稽古は、もう過去の話。部屋に関取はおらず、工夫しながら自分を追い込む日々だ。「部屋の下位力士と力の差はある。だけど、いろんな想定をしながら、毎日番数をたくさんこなし、苦しい稽古をしてきた」と胸を張る。

 ここ数年、体重は170キロ台に落ちていた。それが今場所は、大関時代とほぼ同じ183キロに達した。数字が全てではないが、なにより前に出る馬力が今の高安にはある。30代を迎えてから目立った長い相撲は影を潜め、早く攻めきる取り口が光っている。

 5年ぶりの中日勝ち越しがかかった、この日の若元春戦。左相四つの攻防で多少の時間はかかったものの、先に仕掛けた。前に出ながら上手を一枚まわしでつかみ、豪快に転がした。

 浪速の春を盛り上げる平幕は、どこまでトップを走り続けるか。高安は充実感をにじませながら、「取組時間が短い分、良い状態で連日取れている」。場所を戦い抜く力は、十分に残っていそうだ。(松本龍三郎)