「アワビ取れないので…」海女がキャベツで育てる養殖ウニ
臼井昭仁
海藻を食害から守るため、駆除したウニを養殖して食用に変える試みを三重県志摩市大王町の海女らが始めた。アワビなどの不漁が続き、代わりの特産品にできないか期待を寄せている。同様の取り組みは、「キャベツウニ」などの名称で各地で広がりつつある。
志摩市大王町船越の港に面した漁協事務所の倉庫。長さ6メートル、幅3メートルの水槽に六つのケースが沈められている。中には40~50個のムラサキウニやアカウニが入っている。ケースを開けると餌のキャベツをくわえているウニがいた。
世話をしているのは、ともに海女の小海途静江さん(68)と奥村仁美さん(60)。
2人は昨年12月から、藻場を食い荒らすため取り除いたウニを捨てずに、水産物の一時保管用の水槽を借りて、「養殖」をしている。キャベツを与える頻度は5~7日に1回、気温が低い時期は10日に1回ぐらいという。
たまに割って試食をしてみるが、冬とあって黄色い身はまだ少ない。記者が塩水で洗った身を食べさせてもらったところ、苦みはなく、甘くておいしいと感じた。
船越地区では、ウニは自家消…
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