長崎日大、タイブレークで敗れる 「必ず戻ってくる」、チーム力磨く

三沢敦
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 打ち上げた飛球が相手捕手のミットに収まり、長い激闘が終わった。20日にあった選抜高校野球大会の1回戦。長崎日大長崎県諫早市)は延長十三回タイブレークの末、昨夏の甲子園4強の近江(滋賀)に2―6で敗れた。「力をつけて必ずここに戻ってくる」。涙をぬぐい、選手たちは誓った。

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 五回までともにゼロ行進。その均衡を破ったのは4番河村恵太君の一振りだった。

 六回2死二塁。「ここで打たなければ主将じゃない」。振り抜いた打球は左越え二塁打に。立川慶之介君が生還してまず1点。「いい流れをつくりたい」と白川輝星(ひかる)君も右越え二塁打を放ち、河村君が本塁へと駆け込んだ。

 マウンドではエース種村隼(じゅん)君が気迫の投球をみせる。「絶対に点はやらない」と、コーナーを巧みに突き、八回まで散発4安打に抑え込んだ。

 当初の対戦相手だった京都国際が選手ら13人の新型コロナウイルス感染で出場を辞退し、近畿地区の補欠校、近江との対戦が決まったのは3日前のことだ。

 補欠校とはいえ、京都国際と同じく昨夏の甲子園で4強入りした強豪。「強い相手に変わりはない。全力でぶつかるぞ」と話し合い、この日を迎えた。

 流れが相手に傾いたのは九回。先頭打者に二塁打を許してからだ。次打者には痛恨の死球。さらに後続の右前打で1点を失い、好投を続けてきた種村君が降板。救援の川副良太君も1点を奪われ同点に。試合は延長戦へともつれ込んだ。

 延長十回。1死満塁の好機が巡ってくる。だが、あと1本が出ない。けがから復帰したばかりの近江のエース山田陽翔(はると)主将に疲れは見えず、140キロ台の速球を打者の胸元へと投げ込んでくる。

 延長十三回。大会初のタイブレークを迎えた。無死一、二塁から、4番も務める山田君の左前打で勝ち越しを許す。緊張の糸が切れたかのように失点を重ね、激闘に終止符が打たれた。

 「悔いは残るけど、粘り強く戦えた」と河村君。持ち前の「チーム力」に磨きをかけ、夏に再びこの土を踏むつもりだ。(三沢敦)