秋田市などのなりすましメール80万件 不正アクセスは設定ミスから
秋田県は20日、メール送信時の安全保護のために、東北6県と新潟県が導入を進めているクラウド上のセキュリティーシステムへの不正アクセスが判明したと、発表した。このシステムから秋田市をかたったなりすましメールが約42万件送信された。青森県八戸市、新潟県糸魚川市、福島県郡山市のなりすましメールを合わせると4自治体計約80万件の送信が確認されている。
秋田県デジタル政策推進課によると、7県がシステムを共同調達した発注先「SBテクノロジー」が、設定ミスをしたことが原因という。
このシステムは自治体の庁内ネットワークと外部のインターネットとの通信を監視したり、送受信するメールの安全性を確保したりするもの。7県は4月から導入する。秋田県の場合、県と県内全25市町村が利用する予定で、3月から順次利用を始めていた。秋田県はこれまで単独で別のシステムを利用していたが、共同調達の方が費用を抑えられるため、7県で同じシステムを使うことにしたという。
秋田県によると、県内では現時点で秋田市と横手市のドメインをかたるものが確認されている。秋田市のドメインは「city.akita.akita.jp」。件名は「Re」「Hello」や、「REF:- INSTRUCTION TO CREDIT YOUR ACCOUNT WITH THE SUM OF (US$10Million)」と英語で1千万ドルの入金を案内するものなどで、送信時間は、18日午後4時46分~6時55分ごろ。送信先は、「gmail.com」が多く、海外とみられるドメインもあるという。すでに不正アクセスが出来ないように対策が講じられた。
また、八戸市をかたるメールは24万5千件、糸魚川市は9千件、郡山市は12万7千件送信されたという。 秋田県が管理する連絡先が抜き取られるなどの情報漏洩(ろうえい)被害は、確認されていない。県は、不審なメールを受信した場合「開封せずに削除してほしい」と呼びかけている。また、県は、SBテクノロジーに再発防止策をまとめるよう要望している。(高橋杏璃)
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