国内で新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種が進んでいる。海外では4回目が始まった国もある。今後の接種をどう考えたらいいのか、ワクチンに詳しい大阪市立大の福島若葉教授(公衆衛生学)に聞いた。
――3回目のワクチン接種の効果に関する論文をどう見ていますか。
まずワクチンの効果や「有効性」という時、何についての効果なのか、感染予防、発症予防、重症化予防に分けて考えないといけません。
(ワクチンを打つと体内にできる)中和抗体は、発症予防効果と相関することが知られています。
どれくらい中和抗体ができるかは個人差があり、中和抗体の量(中和抗体価)が多いほど発症予防効果が高いことが論文として発表されています。この量でおおよその発症予防効果を推定できるということです。
中和抗体価はワクチン接種後、時間の経過とともに下がりますので、発症予防効果も下がります。
効果の下がり方は、どの株に対するものかによって違います。
例えば、2回接種でみると、変異ウイルスのデルタ株に対する効果は接種後に徐々に低下し、有効率60%ぐらいまで下がりますが、1年後もだいたい保たれます。オミクロン株に対しては、2回接種後3カ月から6カ月を過ぎたら効果がほとんど無くなります。
そこで3回目の接種をすると、「ブースト」と呼びますが、中和抗体価は上がりますので発症予防効果も上がります。
しかし、オミクロン株に対する効果は、ブースト後もデルタ株に対してよりも低く、その持続期間も3カ月から6カ月程度という報告があります。
オミクロン株に対する発症予…

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