兄3人姉2人に野球教わった末っ子 金光大阪でかなえた家族の夢

松永和彦 柳川迅
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(21日、第94回選抜高等学校野球大会1回戦、金光大阪4-0日大三島)

 第94回選抜高校野球大会の第3日、日大三島(静岡)に4―0で勝った金光大阪の遊撃手、佐々木駿弥選手(2年)は6人きょうだいの末っ子。家族みんなの夢を背負って甲子園でプレーした。

 兄3人に姉2人。兄は3人とも金光大阪で白球を追い、姉2人もそれぞれ野球とソフトボールをしていたという野球一家だ。

 父の政彦さん(52)は野球少年で甲子園に憧れていたが、中学に野球部がなく、大学までラグビー部だった。息子たちには甲子園をめざしてほしいと野球を勧め、長男の将貴さん(26)が金光大阪に誘われて野球部に入ると、次男、三男、そして四男の佐々木選手も後に続いた。みんな内野手だ。

 次男の将太さん(22)は2016年夏の選手権大阪大会決勝で履正社に敗れた。その3年後の夏、三男慶矢さん(20)も大阪大会決勝まで進んだが、やはり履正社に阻まれた。

 兄たちがあと一歩、届かなかった甲子園。佐々木選手はグラブに「リベンジ」と刺繡(ししゅう)を入れた。昨秋に新チームが発足すると、1年ながら試合に起用され、レギュラーをつかんだ。

 21日の日大三島戦は、社会人野球でプレーしている将太さんを除き、祖父母らを含む家族みんなが球場に集まり、スタンドで応援した。

 政彦さんは「息子に甲子園へ連れて行ってもらうという夢がようやくかなった。家族みんなの思いだった」と感慨深げだった。慶矢さんは4年下の弟について「上のきょうだいみんなが野球を教えてきたので、駿弥が一番たくさん教わってきたはず」。

 そんな家族の期待を背負った佐々木選手は、安定した守備で金光大阪の甲子園初勝利に貢献した。

 試合後のインタビューに「金光大阪の歴史をつくれたことを誇りに思って家に帰りたい」と答えた。(松永和彦、柳川迅)

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