高知が初戦突破 3月から挑戦の三塁手、鮮やか守備で勝利に貢献

堅島敢太郎
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 高知は大会第3日の21日、第3試合で東洋大姫路(兵庫)を4―2で破り、初戦を突破した。2013年以来9年ぶりの甲子園での勝利に、1塁側スタンドは沸いた。2回戦は25日第3試合で、国学院久我山(東京)と有田工(佐賀)の勝者と対戦する。

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 三回裏、背番号14が守る三塁付近に鋭いゴロが飛んだ。待ち焦がれた守備機会だった。櫛田歩希(いぶき)君(3年)はレフトに抜けようかという当たりに、「体が勝手に反応した」とひざをたたんで左に軽く飛び込むと、打球はワンバウンドでグラブに収まった。スタンドがどよめくのが聞こえる。素早く一塁に送球し、アウトに仕留めた。「よっしゃー」とガッツポーズ。鳥肌が立つのがわかった。

 昨秋の四国大会までは控えの二塁手。浜口佳久監督に安定した守備力を買われ、三塁手に挑戦し始めたのは3月に入ってからだった。その後は、浜口監督も「地道に取り組む子」と認める粘り強さで、公式戦初スタメンを夢舞台で勝ち取った。

 甲子園でも不思議と緊張はしなかった。無得点のまま迎えた五回表1死走者なしでの第2打席。7球目の直球をセンター前にはじき返し、チーム2本目の安打を放つ。続く9番、三谷高慶君(3年)の打席で浜口監督は「櫛田が出ると盛り上がる」と、初球からエンドランのサインを出した。三谷君の振り抜いた打球が、センター前に転がるのが見えると一気に加速。50メートルを6・2秒で走る快足をとばし、三塁に到達した。次の山下圭太君(3年)の二塁打で先制のホームを踏み、均衡を破った。

 走攻守で躍動する姿を一番見せたかったのは、体調を崩し球場に来られなかった祖母。試合後、「元気を与えられたかな」と話すと、「自分の役割を果たして勝利に貢献したい」と次を見据えていた。(堅島敢太郎)