朝鮮初級学校、4月に名古屋から豊明に移転 感謝デーで別れ惜しむ

伊藤智章
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 名古屋市中村区の名古屋朝鮮初級学校が4月、愛知県豊明市の愛知朝鮮中高級学校の敷地に移転する。統合がすすみ、2000年から名古屋市内唯一の朝鮮学校だったが、校舎が老朽化していた。21日、感謝デーがあり、大勢の保護者や卒業生らが別れを惜しんだ。

 朝鮮学校は終戦後、日本の植民地支配から解放された朝鮮半島に帰国するため、手弁当で国語講習所として始めたもの。同市では終戦一カ月後の1945年9月に開校した記録があり、則武、港、千種など各地にできた。

 同校はJR名古屋駅近くで、民族教育の拠点。近年はパソコンや英語教育にも力を入れてきた。韓国籍のほか、日本国籍の子どもも多い。だが各種学校扱いで行政の支援が少なく、財政難が悩みだ。88年建築の現校舎は職員室の天井から雨漏りも。2022年度に豊明市の中高級学校なども建て替える予定で、初級学校を用地ごと売却し、カンパも募り、全体で約20億円という費用にあてる。

 現在は付属幼稚園の園児を含め在校生は約150人。スクールバスで送迎するが、移転を機に約20人減る見通しだ。金星年校長(52)は「この校舎も同胞の寄付でできたもの。さみしいが、新校舎で理想の教育をしたい」と話した。

 この日は人工芝のグラウンドに椅子を持ち込み、式典や子どもたちの歌などが披露された。卒業生という名古屋市内の李哲秀さん(53)は「娘や息子も通った学校。未来に向けて頑張ってほしいな」と話した。

 市民団体「日朝教育・文化交流をすすめる愛知の会」は支援の寄付を募っている。問い合わせは竹内さん(090・8866・4015)。(伊藤智章)