第13回まるで別の惑星にいるみたい…「大嫌い」なQアノンに潜入してみた私

有料記事Qアノン

ワシントン=藤原学思

前回のあらすじ

トランプ元大統領の集会会場にいた星条旗柄の帽子をかぶった男性。「議事堂襲撃事件のとき、現場にいた」と語る彼に記者は聞きました「Qは誰だと思いますか?」彼の答えは…。

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 2020年3月、米ワシントン近郊に暮らすアマンダ・ムーア(33)は、職を失った。ライブイベント業に携わっていたが、新型コロナウイルスの影響で業績が一気に悪化した。

 その年の9月には、住んでいたアパートも離れた。失業手当は得ていたが、それだけでは家賃を払えなかった。

 実家に戻った彼女は、陰謀論集団「Qアノン」など、トランプ支持者が集うコミュニティーに入ることを決める。ただ、信奉者としてではない。それは、潜入者としてだった。

Qアノン

「世界は小児性愛者の集団によって支配されており、悪魔の儀式として性的虐待や人食い、人身売買に手を染めている」という陰謀論、またはそれらを信じる人たちを指す。信奉者はそうした集団を「ディープステート」(影の政府)とみなし、民主党の政治家やハリウッドスターらが所属していると考えている。

「ほのぼのとした」雰囲気から一転…

 ムーアの父は熱心な共和党員で、また、福音主義者でもあった。母もトランプ支持者だった。ムーア自身は白人女性で、そういった意味では、Qアノンの信奉者と重なる部分が多くあった。

 「言っておきたいことは、私…

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