22日に発表された公示地価は、新型コロナウイルスの影響が和らぎ、回復への期待感が高まる様子が現れた。一方で、コロナ禍前の国内消費を支えてきた訪日外国人客(インバウンド)に大きく依存してきた観光地や繁華街は苦戦が続くなど、明暗が分かれた。
東京を代表する観光地・浅草。雷門の周辺では、平日の日中にもかかわらず着物姿の若者らでにぎわっていた。最寄りの地下鉄浅草駅から地上へ出てすぐにある雑居ビルの地価は、1平方メートルあたり445万円で前年から1・1%上がった。コロナ禍のあおりで12・0%の下落となった前年から反転した。
雷門のすぐ脇に店を構える天ぷらの老舗「三定(さんさだ)」では、一時は1割以下まで落ち込んだ売上高が、昨秋の休日には5割を超えるほどに戻ってきた。コロナ禍の前に多く訪れていた外国人客や団体客は今もいないが、真田薫社長(61)は「外国人客は1人1品注文しないことも多かった。日本人客は必ず注文するので、客単価は良くなっている」と話す。
自身も土産物屋を営む稲葉和…
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