節電要請 どうしたら? 上手な家電の使い方まとめ

小林未来 沼田千賀子 中井なつみ
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 16日に発生した福島県沖を震源とする地震などの影響で、政府が、「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を出し、22日午前8時~午後11時、1都8県を対象に節電に協力するよう呼びかけた。各家庭でできる節電対策をまとめた。

エアコンは1度下げると消費電力10%削減

 東京電力エナジーパートナーは、「冬の『電気の上手な使い方』」として、省エネ術を紹介している。寒い日は暖房需要が多く、消費電力に大きな影響を与える。電気ストーブや電気カーペット、エアコンのうち最も効率がいいのはエアコン。カーペットやヒーターは部分的な暖房として、短時間での利用がおすすめだ。

 エアコンは暖房温度を1度下げると消費電力は10%削減できるという。東京電力は今回、室温20度の設定を呼びかけているが、湿度が低いと寒く感じるため、担当者は「肌寒く感じる場合は、湿度を上げるとよい」と話す。米国暖房冷凍空調学会によると、湿度40~60%に保つとよいという。また、窓からの冷気を防ぐため、カーテンやブラインドを閉めるのも効率的だ。

 風向もポイントだ。暖かい空気は上昇するため、効率よく暖めるにはエアコンの風向きを下にしたうえで、サーキュレーターなどで上から下に向けて風を送ると、部屋全体が暖まりやすくなる。また、室外機の周りに囲いがあると、空気の流れが妨げられてしまう。たとえば、外気温7度、室温20度という条件で調べたところ、室外機に囲いがあると、25・3%も暖房効率が悪くなったという。室外機の周りの物を片づけたり、置き方を工夫したりするとよいという。

 エアコン以外の家電でも工夫できる点はある。リモコンで電源を切るタイプの家電は、本体の主電源を切り、さらに長時間使用しない機器はコンセントからプラグを抜くのがおすすめ。担当者は「ささったままの充電器などにも目を向けてみて。長時間使用しない部屋は分電盤でブレーカーごと落としてしまったりするのも一案です」と話す。ただし、テレビの自動録画などを予約している場合は、機能しなくなることも多いので注意が必要だ。

 主な家電の省エネ利用法は次の通り

 テレビ 視聴時の消費電力を抑えたり、部屋の明るさに合わせて自動的に画面の明るさを調節したりする省エネモードを活用する

 冷蔵庫 冬場は庫内の設定温度を弱にする/節電機能つきなら、庫内温度などに合わせて消費電力の少ない運転になる/庫内の吹き出し口の前に物を置かない

 炊飯器 残ったご飯は保温しておくより、冷蔵・冷凍して電子レンジで温める

 温水洗浄便座 ふたを閉め、便座カバーを取り付けると熱が逃げない

 省エネ術を紹介した同社サイトは、https://www.tepco.co.jp/ep/private/savingenergy/別ウインドウで開きます小林未来

「電気はみんなでシェア」の意識を

 節約アドバイザーの丸山晴美さんは「みんなで電気をシェアしているという意識をもってほしい」と呼びかける。

 丸山さんによると、エネルギーを比較的多く使うのは暖房をはじめ、照明や冷蔵庫など。それを踏まえて、家庭での電気使用量が多くなる夕方から夜は「ウォームシェアをしよう」と提案する。家族が同じ部屋に集まって一緒に過ごすことで、暖房や照明を使う部屋の数を減らすことができる。

 部屋を暖かく保つには、カーテンをしっかりひいて暖気を窓から逃がさず、冷気を入れないようにする。カーテンの丈が足りない場合は、バスタオルなどをくるくる巻いて丈の足りない部分をふさぐといった工夫もできる。

 足元や首元を温めて、寒さを感じにくくすることも大事だ。タートルネックを着たりネックウォーマーをしたりする、レッグウォーマーやスリッパで足元が寒くないようにするといった具合だ。

 そのほか、照明はいつもより暗めにする▽冷蔵庫を開け閉めする回数を少なくする▽炊飯器や電気ポットの保温はきる▽便座のヒーター機能を切って、代わりにカバーをかける▽余裕があればエアコンのフィルターを掃除する――などを挙げる。(沼田千賀子)

すきま風の遮断も有効

 「暖かさをキープするためには、外部からの冷気やすきま風を防ぐことが効果的です」。節約アドバイザーの和田由貴さんは、設定温度を低くしても暖かい環境を作るには、暖房器具の効率を高めるための環境作りが重要だと指摘する。

 注意したいのは窓から侵入する冷気。窓のカーテンを厚地のものに変えたり、丈を長くしたりすることが有効だという。掃き出し窓であれば床に引きずるくらいの長さにし、腰高窓であればカーテンの裾を窓枠に固定し、ひらひらさせないようにテープなどで固定するように工夫するだけでも暖気が逃げにくくなる。ほかにも、タオルを敷いて窓と床の隙間を埋めるようにすることも効果的だそうだ。「ドアの下に隙間がある場合は、100円ショップなどで購入できるスポンジ付きのテープでふさぐのもおすすめです」

 また、暖房を付ける場合は、家族の過ごし方に応じて使用する器具を変えることも節電につながるという。暖房は「対流式」「輻射(ふくしゃ)式」「伝導式」の三つに分けられ、暖まるまでの時間や使用する電力量が異なる。

 温風を出すことによって部屋を暖める「対流式」は、エアコンやファンヒーターなどが代表的で、リビングに家族がいる場面など、広い範囲を暖めるときに有効になる。

 一方、テレワークなどで個室で過ごす必要がある場合や、1人で過ごす場面など、「自分だけ暖かくしたい」という場面では、電気ひざ掛けなどの「伝導式」製品を使うのがおすすめという。ひざや肩にかけるほか、持ち運んでいろいろな場所で使えるほか、使用電力が少なくてすむ。USBで給電できるタイプも多いため、「災害時の備えにも有効」という。ハロゲンヒーターなどの「輻射式」のものは、立ち上がりが早く、素早く暖を取るには適しているが、使用する電力も多いため、長時間の使用には向かないという。「家庭の状況に応じて、適切な器具を選ぶのも重要な節電です」(中井なつみ)

主要家電の平均的な電力使用量

・エアコン  801kWh(冷暖房)

・冷蔵庫   300kWh

液晶テレビ 57kWh

世帯あたりのエネルギー消費

・家電機器・照明など 33・9%

・暖房 24・7%

・給湯 28・8%

・厨房(ちゅうぼう) 9・9%

・冷房 2・7%

エネルギー消費の割合

・家庭 14・1%

・企業・事業所など 62・7%

・運輸 23・2%

※いずれも2019年度、エネルギー白書から