「プーチンが最も悪い例」山口香さん 小学生の全国大会廃止を語る

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聞き手・塩谷耕吾
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勝利至上主義を考える

 行き過ぎた勝利至上主義が散見される――。そんな理由で、小学生の柔道の全国大会が廃止されることになった。柔道家の山口香さん(筑波大教授)に、廃止への受け止めを聞いた。山口さんは大会を主催する全日本柔道連盟全柔連)で監事を務めた経験を持つ。

 ――全柔連が小学生を対象とした個人の全国大会を廃止にしました。

 「小学生のころは試合はあってもいいかと思うけど、日本一を目指す時期ではない。日本一ということになると親も指導者も理屈ではなく、力が入ってしまう」

 「まだ、そこまで高いレベルで競い合うことを必要としない年齢。柔道を一生懸命やることも良いけど、柔道以外にも一生懸命やることがあっていい。今日は柔道、来週はサッカーというのがあってもいい」

 ――廃止の影響はありますか。

 「小学生の全国大会の善しあしの議論と同時に、廃止したあと、どう手当てするかが大切なこと。全柔連は小学生や中学生からも登録費を取っているわけだけど、実はコロナ禍により、試合がなくなって登録しない子が増えている」

 「これはどの競技団体にも共通する問題。つまり現状では、競技団体に登録するメリットは試合に出ることだけ。逆に、団体は登録人数を増やしたい、登録費を増やしたいから試合をやっている部分がある。そういう大会は、邪道」

 ――邪道な大会を開催しないと、団体は立ちゆかなくなるのではないですか。

 「柔道の競技人口は減っているけど、実は試合に出ない愛好家はいっぱいいる。試合を見るだけ、道場で練習しているだけの人は全柔連に登録するメリットはない。小学生にとっても、全柔連は試合がなければ登録する価値がないものになりかねない。だから、試合以外の魅力を提供していかないといけない」

 「登録しているといろんなこ…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2022年3月24日21時0分 投稿
    【視点】

    「金メダルをたくさんとっても柔道人口は増えません」というのは、明治いらい「国威発揚」「選択と集中」に血道をあげてきた教育界や科学界や経済界も、耳を傾ける言葉だと思う。 「エリート育成重視」から「国民の健康増進」にスポーツ政策を転換した

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2022年3月22日18時59分 投稿
    【視点】

    プーチン大統領は、ことあるごとにロシアの核戦力をひけらかしています。先月24日、ウクライナへの侵攻開始を前に公開したテレビ演説でも「ロシアは今日、世界で最も強力な核保有国の一つだ」「私たちへの攻撃は侵略者に敗北と悲惨な結果をもたらすことを疑