住宅地、商業地は5年連続上昇 熊本県内の公示地価

伊藤秀樹
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 土地取引価格の指標となる公示地価(1月1日時点)が22日、発表された。熊本県内の平均変動率は住宅地、商業地ともに5年連続で上昇した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で熊本市中心部の商業地は下落した。

 県内の調査地点は13市7町で住宅地164、商業地76、工業地9など計251地点。

 住宅地の平均変動率は県全体で0・9%(2021年は0・4%)の上昇。自治体ごとに平均値をみると、上昇したのは人口増加が続く菊陽町が4・6%で最も高かった。同町の光の森に近接する「武蔵ケ丘1―12―17」は県内の住宅地の上昇率トップだった。大津町(3・4%)▽合志市(2・4%)▽宇城市(1・6%)▽嘉島町(1・4%)▽熊本市(1・0%)▽御船町(0・9%)▽益城町(0・7%)が続いた。八代市荒尾市玉名市水俣市天草市などでは下落基調が継続した。

 商業地の変動率は県全体で0・8%(21年は0・2%)の上昇。熊本市中央区の上通・下通など中心街はコロナ禍の影響で一部下落したが、幹線道路沿いを中心に需要が堅調だったという。上通、下通の中心街はコロナ対策による行動自粛の影響で客足が減り、空き店舗が増加。上通アーケード内の調査地点は、JR熊本駅の「アミュプラザくまもと」などへの店舗移転の影響もあり、下落幅が拡大。下落率は4・4%(前年0・7%)だった。調査した石山博・不動産鑑定士によると、県内最高価格地点の「銀染第一ビル」(下通1―3―7)は昨年5月から1、2階部分が空き店舗となっている。

 2年前の豪雨災害で被災した人吉市は、住宅地の変動率がマイナス1・8%(前年マイナス5・0%)、商業地がマイナス1・4%(同マイナス5・9%)といずれも下落幅が縮小した。

 調査した馬渕信一郎・不動産鑑定士によると、豪雨で浸水したエリアの取引は停滞。建物を取り壊し、更地となった箇所が増え、低価格帯での取引も多いという。馬渕氏は「JR肥薩線の復旧は見通せない状況にあり、被災の影響は残っている。若者の流出が懸念される」と話した。(伊藤秀樹)