新型コロナウイルス感染症の流行で、直面する危険性について正しい情報を共有する「リスクコミュニケーション」の大切さが改めて注目されています。日本大学の福田充教授(52)は、あらゆる危機を乗り越えるために必要だと説きます。(編集委員・辻外記子)
テロや災害、原発事故……。研究領域はさまざまな危機にまたがり、時に不思議がられる。「何の専門家ですか?」と。
「理系の学問は専門ごとにわかれていますが、リスクの被害を最小限にするための危機管理は、全ての分野に必要です。誰も、危機の種類を選べません。危機管理学の鉄則は、最悪の事態を想定し、想定外をつくらないことです」
危機管理に必要な4要素
危機をうまく管理するために、不可欠な要素が四つあると提唱する。
「情報収集や分析をする『イ…