低迷の背景から豪州戦の展望まで 中村憲剛さんが語るW杯最終予選

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聞き手・構成 勝見壮史
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 サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選は残り2試合になり、日本は24日のアウェー・オーストラリア戦(日本時間午後6時10分開始)、29日のホーム・ベトナム戦(埼玉スタジアム、午後7時35分開始)に臨む。日本は序盤で1勝2敗と出遅れたが、そこから5連勝と持ち直した。予選のターニングポイント、チームの変化、勝てば7大会連続7回目のW杯出場が決まる豪州戦の展望は――。サッカー解説や若手の指導に携わる元日本代表の中村憲剛さん(41)に語ってもらった。(聞き手・構成 勝見壮史)

 スタートを考えたら上出来に近いですね。W杯ベスト8以上を目標にするなら別の話になりますが、W杯に出場することだけを考えたら、よく巻き返したなという印象です。昨年10月の豪州戦からは5連勝ですからね。

 初戦と3戦目を落とす異常事態。背に腹は代えられないところまできていた中で、過去の日本代表でも採用されてきた4―2―3―1から、FWが3人並ぶ4―3―3へ。戦い方を変更せずにきた森保一監督が、システムも人も変えました。

 4戦目の豪州戦は、僕がテレビ番組で予想したスタメンとまさに同じ。「誰か代表関係者が見たのか…?」。そんな冗談が言えてしまうほど、ドンピシャでした。豪州もびっくりしたのではないでしょうか。選手たちが「ぶっつけ本番だった」というぐらい付け焼き刃でしたから。

 そして、最終予選初先発の田中碧が奪ったあの1点(前半8分の先制点)が、今予選の日本の流れを大きく変えました。システムを変えたチームは、今までにない躍動感もありました。この流れで取れたら、ここまでうまくいかなかったものが、好転するかもしれない。そう思いかけたときに、点が入った。「これでいける」と、スタジアムの空気を変えましたね。

 後半、同点にされましたが、前線に足の速い選手を次々と投入し、勝ち越した。最後は執念だったな、と。そのオウンゴールを誘ったのは(途中出場の)浅野拓磨で、ここで信頼した選手を使うという森保監督の胆力。サンフレッチェ広島監督時代に育てたまな弟子が決めたあたりはドラマだなと思いました。

 僕も現役時代、「え? 監督、ここでその選手を入れるの?」と思った選手が得点を取ることがありました。監督にしか分からない何か、が絶対にある。選手を日々観察しているからこそ、抜擢(ばってき)ができる。ロジックだけじゃ、ダメなんですね。

 最終予選序盤のつまずきの背…

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