秀吉の「黄金の茶室」復元 名護屋城博物館
渡辺松雄
佐賀県唐津市鎮西町の県立名護屋城博物館に、豊臣秀吉(1537~98)が作らせた「黄金の茶室」が復元され、23日、報道関係者向けの内覧会があった。27日午後1時から一般公開される。
黄金の茶室は、秀吉の関白就任に対する返礼と権威づけのため、京都御所での茶会に際して制作された。広さ3畳。組み立て式で、持ち運べる。朝鮮出兵の拠点・名護屋城にも持ち込まれ、1592年のスペイン使節団の歓待や加藤清正の家臣へのねぎらいなどで4回使われた記録がある。
復元には昨年8月から約半年をかけた。75の部材で構成され、釘を使わず、溝に壁などをはめ込む手法を用いた。純度99・8%の金箔(きんぱく)(109ミリ四方)を約1万6500枚使っている。絹織物の障子と毛織物の畳表は、鮮やかな赤だ。制作費は約3600万円。
復元された茶室は常設展示室内にあり、いつでも無料で観覧できる。写真撮影も可能。5月ごろからは、事前予約のうえで中に入って抹茶を飲むこともできる(有料)。
博物館の安永浩学芸員は「史料に基づく『黄金の茶室』は全国に三つあるが、いずれも中には入れない。可能なのはここだけ。外で見るのと、中に入るのでは大きな違いがある。豪華な気分を味わい、名護屋城で起きたことを追体験してほしい」と話した。
茶室での体験プログラムの開催日や予約方法、料金などは、4月上旬に名護屋城博物館のホームページなどで公開される。(渡辺松雄)
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