お客を前によぎった「翌月の給料」 ノルマ管理、労使納得の未来は

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小出大貴 聞き手・柴田秀並
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 仕事の目標やノルマをどれだけ達成したかは、給料やボーナスの査定と深く結びついてきました。達成度と連動する比例給の割合が多い職場では、従業員の過労や不祥事など負の側面も目立ちます。それでも、ノルマはやめられないのか。

基本給10万円の男性の「生きるためのノルマ」

 「お客さんを前に、翌月の給料がちらついた」

 関東に住む30代の男性は、日系の生命保険会社の営業として個人宅に飛び込みでセールスをしていた数年前を振り返る。

 顧客の生活状況から、希望する保険より安い保険で十分だと感じた。しかし、契約額が小さいと会社からの評価も上がらない。「あえて言わなかった」と打ち明ける。

 当時の給料は基本給が10万円ほどで、残りは直近の販売実績に応じた比例給だった。それなりの規模の契約を月3件取って、手取りで月約20万円。それが「生きるためのノルマという感覚だった」。

 契約が月にゼロだと社内で「…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2022年4月2日15時2分 投稿

    【視点】基本給以外は業績次第。このタイプの「正社員」は、おそらく統計上の「正社員」の半数を占める。 いま「ジョブ型」と通称(僭称)され、90年代には「成果主義」と通称されたものは、大企業正社員の給与体系を、このタイプの「正社員」に近づけようと