昨年の盛り土崩落事故 多古町が国事業活用し実態調査へ

上沢博之
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 千葉県多古町南玉造で昨年6月、土木業者が搬入した高い盛り土が住宅近くで崩落した事故で、町は新年度、国の盛土緊急対策事業を活用して、この盛り土の実態を把握するための調査を実施する。同事業は国が静岡県熱海市土石流災害を受けて創設し、千葉県内での活用は町が初めてとなる。

 町によると、崩落事故後、現場近くに住む女性は、夜間に宿泊施設へ避難する生活を余儀なくされている。

 町は、業者に盛り土を低くするなどの安全対策を実施するよう求めてきた。しかし「対応が遅く、早期解決のためには町が動かざるを得ない」(生活環境課)として、業者に代わって、安全対策を検討するため、測量や地質などの調査に乗り出す。

 今回の調査で町からの委託料は2550万円で、そのうち国費から3分の2の補助を受ける。かかった費用は業者に請求する。

 崩落事故は昨年6月9日、業者側が重機で現場を整地中に発生。土砂はガードレールを壊すなどして、県道(幅約9・5メートル)を高さ最大約1・8メートル、約60メートルにわたってふさいだ。作業員が病院に搬送され、ほかにけが人はいなかった。

 県によると、昨年7月の静岡県熱海市の土石流災害を受けて、国から盛り土を「総点検」するよう全国に要請があった。県内では約3千カ所が点検され、うち5カ所について、崩落などがあった場合、周辺の人家や公共施設への悪影響が懸念されると判断。今回、多古町が調査する盛り土もその一つで、ほかに同町内の別の1カ所と、旭市、市原市君津市の各1カ所で確認されているという。(上沢博之)