ロシアによるウクライナ侵攻から1カ月。苦戦を強いられたロシア軍は今後、どう動くのか。そもそも、なぜ米国はプーチン大統領の軍事行動を止められなかったのか。米大統領特別補佐官としてオバマ政権時代の戦略立案に関わってきたバリー・パベル氏は、自戒を込めて「米国の失敗だった」と語ります。その真意を尋ねました。(ワシントン=高野遼)
――この1カ月間の戦況をどう分析しますか。
ロシア軍はすべてを3日間で終わらせるつもりでした。キエフを占領し、自分たちの操り人形となる独裁者を据え、国全体を乗っ取る計画だったのです。
しかし現状は、全く異なっている。明らかにロシアには誤算があり、ロシア軍の能力の低さは衝撃とも言えるものでした。都市を奪うという当初の目的に向けた動きは停滞し、膠着(こうちゃく)状態が続いています。
いまロシア軍は大砲やミサイルを使って都市部のウクライナ市民を殺害する動きをみせています。過去の戦争でも、ロシア軍は同じような戦術で都市を破壊しました。チェチェンのグロズヌイやシリアのアレッポは顕著な例です。大砲を使った戦いこそがソ連時代からのロシア軍の伝統です。
記事の後半では、バリー・パベル氏にプーチン氏を止める可能性があるロシア国内で想定されるシナリオ、そして「第3次世界大戦になるから手を出せない」訳では無いと重要な指摘をしています。最後には自らが関与してきた対ロ戦略について自戒しています。
――今後はどのようなシナリオがあり得るでしょうか。
①ロシア軍の撤退、②泥沼化…
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