西尾勝さん死去 行政学者、東京大学名誉教授 地方分権に尽力

 地方分権を唱えて国や地方の行政制度改革に大きな役割を果たした行政学者・政治学者で東京大学名誉教授の西尾勝(にしお・まさる)さんが22日、肺がんで死去した。83歳だった。葬儀は近親者で行う。

 行政学の権威で、国の地方制度調査会会長や地方分権推進委員などを長く務めて国や地方の制度改革に尽力した。学者や経済人らで作る「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)共同代表、国と自治体が共同で運営する地方公共団体情報システム機構の理事長も務めた。

 東京大学法学部長や国際基督教大学教授として後進の育成にも力を注ぎ、教え子から知事や官僚など地方自治の要となる人材が多数輩出した。「平成の大合併」が進む過程で、小規模自治体の組織や事務の簡素化を唱えて論議を呼んだ「西尾私案」でも知られる。

 日本行政学会理事長、日本自治学会会長のほか、東京市政調査会とその後身の後藤・安田記念東京都市研究所の理事長などを歴任。地元の東京都武蔵野市政にも長年にわたって助言し、市民が亜細亜大学や東京女子大学など周辺大学の授業を受講できる武蔵野地域自由大学の学長を務めた。日本学士院会員。「行政学」「未完の分権改革」「権力と参加」など多数の著書がある。