同時通訳はつらいよ ゼレンスキー大統領の国会演説、陰に苦労あり

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 ロシアから侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は23日、日本の国会でリモート演説した。演説直後のツイッターのトレンドでは、1位に「ゼレンスキー大統領」、2位に「同時通訳」がランクイン。約12分間にわたる演説を1人で通訳しきった通訳者の女性にも注目が集まった。

 オバマ元米大統領の広島訪問の演説などで同時通訳の経験があり、通訳者の育成にも携わる東京女子大の鶴田知佳子教授は、今回の通訳者について「本当に大変だったのでは」と話す。外交辞令など国家元首のメッセージを正確に伝えるための重要なポイントについて聞いた。

 ――ゼレンスキー大統領の国会演説で、同時通訳も注目されました。

 途中遅れてちょっと大変そうなところもあって、ネットなどを見ると、「何を言っているか分からなかった」と厳しい評価もありましたが、全くそうは思いません。

 間接的に聞いたところでは、プロの通訳者ではなく、ウクライナ大使館の職員または外交官の方とのことでした。そもそも、ウクライナ語から日本語に同時通訳できる人は、恐らく日本で数えるほどしかいないと思います。プロフェッショナルで訓練が行き届いている人であっても、大変注目される難しい状況です。

 しかももう一つ指摘したいのは、母語ではない日本語への通訳をしていたわけです。それを1人で12分間やるのは、本当に大変だったと思います。

 若干「てにをは」とか謙譲語、敬語が違うかな、というところはありましたが、例えば「サリン」など大事なキーワードをちゃんと押さえられていましたし、話の筋は通っていた。全く意味が通じない、とかごっそり抜けてしまっている、いうことはなく、大変健闘したのではないかと思いました。

 想像なのであまり無責任なことは言えませんが、おそらく事前に原稿があったのではと思います。

 ――なぜそう思われたのですか。

 同時通訳で一番大事であり難…

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