大一番でエースの代役を務めた浅野拓磨 指名した森保監督の期待

勝見壮史
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 サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選で、日本は24日のオーストラリア戦を2―0で制し、本大会出場を決めた。欠場したエース大迫勇也ヴィッセル神戸)の代役で先発したのは、FW浅野拓磨ボーフム)だった。森保一監督にとって、指名した決め手はなんだったのか。

 「ゴールもイメージしていたが、取れなくて悔しい試合として終わった」。得点こそなかったが、浅野の貢献度は十分だった。DFの背後のスペースへ何度も走って、パスを呼び込む動きで相手を走らせた。終盤、途中出場のFW三笘薫(サンジロワーズ)が個人技を発揮できたのは、浅野らが豪州の守備陣を疲れさせていたことも大きい。

 相手を前線から追いかける守備も光った。その献身性こそ、森保監督が起用に踏み切った大きな要因だった。途中出場が続いても腐らずに、練習から全力を尽くす。「ベンチ外でも行きます」と森保監督に思いを伝えてきたこともあったという。

 最終予選序盤でつまずいた日本が巻き返すきっかけとなった昨年10月のホーム豪州戦では、浅野のプレーが決勝点を生んだ。森保監督は言う。「5連勝でこの(24日の)豪州戦を迎えられたのも、拓磨のシュートが相手のオウンゴールを呼んだから。結果を出した選手が先発で出るべきかなと思った」

 2人には、サンフレッチェ広島時代にともに戦い、J1制覇を成し遂げた師弟関係もある。「攻撃の特長も出しながら、チームのために、仲間のために、日本のサッカーのために、走って戦える選手」。試合前に森保監督が語っていた条件を体現できるのが、まさに浅野だ。大一番をまな弟子に託した背景には、厚い信頼があった。(勝見壮史)

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