見たことないジョーダンの姿でさとった NBA取材34年目の回顧
バスケットボールの最高峰、米NBAは今シーズンで設立75周年を迎えた。節目を記念して歴代の偉大な75選手を選ぶ企画では、名コーチらが名を連ねる選考メンバーに1人だけ日本人が選ばれた。ジャーナリストの宮地陽子さん。米国に拠点を置き、長くNBAを見てきた宮地さんの印象に残っているNBA選手とは。
みやじ・ようこ 東京都出身、国際基督教大卒。1987年に米シカゴに拠点を移しNBA取材を始める。月刊バスケットボール、Numberなどに執筆。著書に「The Manーマイケル・ジョーダンストーリー完結編」(日本文化出版)
NBA取材歴は今季で34年目になりました。その中で思い入れのある3人と聞かれれば、まずはマイケル・ジョーダンの名が思い浮かびます。
私はシカゴを拠点にしていたので、長い間、ブルズにいた彼を近くで取材することができた。あの時代は選手との距離も近かった。
皆さんがご存じの通り、プレーはどこを切り取ってもすごい。ですが、彼が苦労する過程を見られたことで、余計にそのすごさを理解できたと思っています。
1993年に一度引退して野球をしてから復帰する時、バスケ仕様の体へ戻すのに苦しんでいました。プレーオフでもいいプレーができなかった。
でも、あの時のジョーダンは1試合1試合、プレーできる楽しさを満喫していました。競技から一度離れたからこそだと思います。
1度目の引退で「ジョーダンは永遠の存在ではない」と分かったので、世界中からシカゴの街、遠征先のホテルにファンが集まっていた。熱狂の3年間でジョーダンを取材できたことは素晴らしい思い出です。
私の目には、2度目の引退前の風景が焼き付いています。
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【視点】毎年、数多くの高校や大学からバスケットボールプレイヤーが卒業するにもかかわらず、たった30チーム、ロスターには15名しか入れないNBA。あんだけでNCAAで活躍してきたプレイヤーがNBAに入った途端パッとしなくることも多い。それだけ、NBA