中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相が25日、インドを訪問し、ジャイシャンカル外相らと会談した。ウクライナ情勢を巡り、米国から「ロシア寄り」と批判される中国は、中立を貫くインドとの関係を重視。国境問題を抱えつつも接近を図る。対するインドは、中ロ印と日米豪印4カ国(クアッド)のバランスの上に立ち、外交を進める構えだ。(北京=冨名腰隆、ニューデリー=石原孝)
王氏はジャイシャンカル氏のほか、ドバル国家安全保障担当補佐官とも会談。中国外務省の発表によると、王氏は「両国関係は長期的視点で見なければならない。中国はインドの発展を歓迎しており、国際問題においてより重要な役割を果たすことを歓迎する」と述べたという。
近年、米中対立が深まる中、周辺国との外交の安定を図ってきた中国は、とりわけインドとの関係を重視してきた。習近平(シーチンピン)国家主席は2018年、モディ首相を武漢に迎えて非公式会談を開くと、翌年には自身が訪印。「竜と象が共に舞う中印協力が唯一の正しい選択だ」と呼びかけた。
20年に国境地帯で両軍が衝突し、45年ぶりに死者が出るなど緊張も続くが、大局的にはインドの重要性はより高まっている。典型はウクライナ情勢だ。
「欧米対中ロ」の構図も左右
ロシアへの非難や人道的責任…
- 【視点】
このタイミングでの中国外相のインド訪問。極めて注目すべき動きだと思います。 日本からはいつも地政学的に見えにくいのが、ロシアとインドと中国の3大国の間で繰り広げられている、いわば三国志的な相関関係です。 ロシアのウクライナ侵攻を受

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