サボりのマツと呼ばれた松坂大輔 怪物をやる気にさせた名将の育成法

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安藤嘉浩
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 昨年で現役を引退した松坂大輔さん(41)。野球解説者として第二の人生をスタートさせた教え子の姿をテレビで見て、「いい顔をしている」と横浜高校野球部の渡辺元智・元監督(77)は目を細める。入学してきた26年前の松坂さんは「最初から光り輝くダイヤモンドではなかった」と懐かしむ。

 自然と輝く石もあれば、磨いて光る石もある。松坂の場合は前者ではなく、後者だった。入学時は体重85キロ(身長175センチ)と肥満気味だった。

 同級生に好選手が多かったのもあるが、際立つ存在ではなかった。自分の存在をアピールしてくるわけでもない。だから、こちらから前に引っ張り出して、英才教育を施そうと考えた。

 小さいころから大きな目標を持っているのは感じた。プロ野球選手になりたい。両親を楽にさせたい。内に秘める松坂の思いは、こちらにも伝わってきた。

 ボールを投げさせると、めっぽう速い。しかし、ボールがどこに行くか分からない。そんな投手だった。まずは体を絞り、体と心の土台をつくらせようと考えた。同級生たちと一緒に色んな基礎をたたき込んだ。

 私も監督になって30年近くなり、指導理念をつかみかけていた。技術を詰め込んでも選手は伸びない。人間的な成長があって、初めて技術を生かすことができる。野球部長兼コーチの小倉清一郎(77)に技術指導の大半は任せ、私は自分の体験談などを話して、選手に心構えのようなものをたたき込んだ。

 「目標がその日その日を支配…

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