ネットの群衆が生んだ陰謀論集団Qアノン 8ちゃん作った青年の後悔

米ニュージャージー州アトランティックシティー=藤原学思
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 根拠のない主張を信じ、拡散させる陰謀論集団「Qアノン」。彼らが現在のように大規模になった場所は、匿名掲示板「8chan(ちゃん)」だった。その創設者の男性が3日間、10時間以上にわたる朝日新聞の取材に応じ、「やり直せるなら、8ちゃんは作らない」と後悔を語った。

 男性は、米ニュージャージー州に暮らすフレドリック・ブレンナン氏(28)。生まれつき、「骨形成不全症」という難病があり、手足が曲がっている。

 幼少期からネットに親しんだブレンナン氏は、2013年10月に「8ちゃん」を立ち上げた。最初の1年間ほどは小さなサイトの一つに過ぎず、ドメインとサーバーの料金を合わせても、維持費は月5ドルほどだった。

 14年夏、ユーザー数が数十倍に膨れあがる。ブレンナン氏が維持費の捻出に困っていたところ、日本の匿名掲示板「2ちゃんねる」の運営に携わっていたロン・ワトキンス氏(34)親子から声をかけられ、ともに8ちゃんを管理・運営するようになった。

 Qアノンの信奉者があがめる謎の投稿者「Q」は17年11月、8ちゃんに投稿を始めた。Qの投稿を受け止め続けた8ちゃんは、多くのアクセスを集めるようになる。ロン氏によると、「世界で最もアクセスされている1千サイト」の一つに入ったこともあるという。

 ブレンナン氏は8ちゃんをつくった創設者としての技術的な面からも、また、ロン氏と数年間時間を過ごし、権力に固執する発言を複数回聞いた動機面からも、8ちゃんで投稿を続けた人物は「ロンだ」と確信している。

 膨張を続けたQアノンについていま何を思うのか。

 「僕は集合知というものを信じていた。大勢の人たちがいて、そこに質問を投げれば、きっと正しい答えを導き出すのだと。でも、違った。行き着く先は、陰謀論だった」(米ニュージャージー州アトランティックシティー=藤原学思