児相設置 切れ目ない支援へ 奈良市子どもセンター

渡辺元史
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 奈良市柏木町の市子どもセンターが4月1日に開所する。県内の市町村では初となる虐待被害から子どもを保護する児童相談所を設置。地域の子育て関連情報の提供や未就学児の発達相談など、切れ目ない子育て支援を目指す。

 同センターは、市が約14億円をかけて整備し、子どもが家庭から一時的に離れて暮らす一時保護所も備える。子ども一人ひとりに居室があり、軽い運動ができる体育館、おもちゃなどで遊ぶプレールームもつくった。子どもが安心できるよう開放的な空間にしたという。

 市内の児童虐待対応件数は、2020年度に1千件を超えるなど、10年間で約4倍に増加。14、15年には重症事例が立て続けに発生し、死亡事例もあった。

 また、県にしか児相がないことで、市が継続的な支援のために事案を引き継いできたが、担当者の変更を不安に思う子どももいた。こうした経緯から市は、家庭への介入と、その後の支援をワンストップで行う自前の児相が必要と考え、設置を検討していた。

 同センターには、子育ての相談窓口になる地域子育て支援センターや、遊具を設けた屋内外のキッズスペースがある。4月1日以降は無料で利用できる。児童相談所への相談や発達相談は、市子どもセンター(0742・34・4804、平日午前9時~午後5時)へ。(渡辺元史)

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