濱口監督の震災記録映画 「ドライブ・マイ・カー」につながる特徴
高橋昌宏
【宮城】米アカデミー賞で濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞に輝いた。濱口監督はせんだいメディアテーク(仙台市青葉区)を拠点に、東日本大震災の記録映画をつくるなど10年以上、同施設との関係が続く。学芸員の小川直人さんに聞いた。
監督との出会いはメディアテークで2009年にあった「仙台短篇映画祭」。東京芸術大大学院映像研究科の修了作品「PASSION」が上映された。
「映画祭スタッフの女性が『これはすごく面白い』と推していたのが印象に残っている。シネフィル(コアな映画ファン)的な作りでありつつも、素直に楽しめる作品で、面白い人が出てきたなと感じた」
映画祭は新たな才能の発見の場でもある。翌年の同映画祭でも濱口監督の作品が取り上げられた。
監督が記した「自分がひたすら避けてきたもの」
そして2011年。東日本大…