白ナンバーの飲酒検査義務化 八街事故教訓に建設業でも準備

伊藤繭莉
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 【千葉】昨年6月の八街市での飲酒運転トラック事故を受けて、10月から主に自社製品を運ぶ「白ナンバー」への飲酒運転対策が強化される。白ナンバーの車両を多く運用する建設業界では事故を教訓にして、アルコール検知器の導入など、酒気帯び運転対策に乗り出す事業者も出てきている。

 「事故の原因は、会社が社員を管理できていなかったからだと思う」

 佐倉市の建設会社「村上建設」の村上亮社長(43)は、八街市で起きた事故について、そう語る。25日に懲役14年の判決を受けた元運転手は、自社で加工した建材を運搬し、飲酒検査義務対象外だった白ナンバートラックを運転していた。

 村上建設では、トラックや重機など約30台の車両を保有するが、全て白ナンバーだ。八街の事故前から、点呼時に顔色を確認し、安全運転を呼びかけ、毎月の速度超過や急ハンドルなどが多い運転手には指導を実施してきた。ただ、アルコール検知器を使った飲酒検査までは及ばなかった。

 八街の事故を受け、警察庁では10月から、白ナンバーの車両を一定以上運用する事業者に対し、検知器による酒気帯びの確認を義務づける。村上建設ではそれに先駆け、昨年10月に検知器を導入。毎朝の点呼での飲酒検査を欠かさない。「社員を管理するのは、会社の責任だ」と話す。

 一方、NPO法人「ASK」が認定する飲酒運転防止インストラクター、佐々木伸也さん(65)が勤める都内の建設会社では、8年ほど前から検知器を導入している。

 きっかけは、社員の飲酒運転による自損事故が相次いだことだった。徒歩で酒を飲みながら帰宅後に運転したり、出社時に蛇行運転をしたり。後から事情を聴くと、仕事中は我慢しても自宅まで待てずに帰りがけに飲んだり、週末の飲酒が過剰で月曜日に出社できなかったりした社員がいたという。

 佐々木さんは年1、2回の社内研修で、過去の飲酒運転の事例やアルコール分解速度などについて伝えている。下請け会社でも飲酒運転が発覚した場合には、対象の社員を現場から外し、原因と対策を説明するよう求めるという。

 飲酒運転をした社員については、医療機関での治療につなげ、佐々木さん自ら通院に付き添った。「放置せずに、周囲の温かい目が必要だ。職場の仲間を見捨てないことが大事だ」と話している。(伊藤繭莉)