男性育休は「母子2人の命救う」 取得者増やせ 回転寿司社長の決意

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田幸香純
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 「私たちは、男性社員が育児休業を100%取得できる職場づくりを目指すことを宣言します!」

 そう書かれたホームページには、賛同する企業や組織のロゴマークに加え、トップの顔写真がずらりと並ぶ。宣言をした128社・団体はIT大手から建設会社、銀行、自治体と様々だ。

 仕掛けたのは、働き方改革のコンサルをてがける「ワーク・ライフバランス」。取得率100%の達成の時期や細かい規定はないが、「トップの意識を示すことで、育休取得に難色を示す中間管理職を含めて会社全体を動かせる」と小室淑恵社長は言う。

 同社が、企業自らが変わることを求め、「100%宣言」の仕掛けを始めたのは2019年3月。10年ほど前から、国が「イクメン」とPRして男性の育児・家事参加を促すも、取得率向上は牛の歩み。個人の意識を変えるだけでは限界があり、企業に取り組みを求める必要があった。トップの宣言はライバル企業の関心も呼び、賛同の輪が広がった。

 追い風もあった。19年4月の改正労働基準法による残業時間の上限規制だ。「だらだら残業するのではなく、短時間で成果を出す生産性の高い社員」を育てる意識が企業の間で広がり、男性の育休取得が働き方を変えるきっかけになるのでは、という期待も高まったという。

 そして、小室社長はいう。「男性の育休取得は、母子2人の命を救うんです」

 国立成育医療研究センターの調査では15~16年の産後1年未満の女性の死因1位は自殺だった。原因分析までしていないが、小室社長は産後2週間から1カ月にピークを迎える「産後うつ」に注目。配偶者が育休を取ることで産後女性を支えることが大切だという。「子どもの成長を一緒に共有して、孤独な育児が解消されれば幼児虐待の回避にもつながる」とも指摘する。

 その思いに動かされた一人に、回転ずしを運営する銚子丸の石田満社長がいる。

 飲食業界は人手不足が続き…

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    小室淑恵
    (株式会社ワーク・ライフバランス社長)
    2022年3月30日19時58分 投稿

    【解説】宣言募集を開始した2019年は、まだ男性育休法改正の風も吹いていなかった。そんな中、男性育休が母子2人の命を救うという大きな意義に共感し、先陣切って宣言をしてくれた経営者には心から感謝している。宣言したこと、そのものが政府を動かし、法改正を