前回のあらすじ
コロナ禍で職を失い実家に戻ったアマンダ・ムーアは、Qアノンなどトランプ支持者が集うコミュニティーに入ることを決めました。しかし彼女は言います。「私はQアノンのことが大嫌い」。彼女は集会に向かいました。信奉者ではなく、潜入者として――。
「呉市議が旅客機でマスク着用拒否 離陸前に降ろされる」
日本時間2月8日、広島に拠点を置く中国新聞から、そんなニュースレターが届いた。北海道の空港でマスクの着用を拒み、離陸が1時間以上遅れたのだという。
「これは」と私は感じた。
「Qアノンの信奉者ではないだろうか」
Qアノン
「世界は小児性愛者の集団によって支配されており、悪魔の儀式として性的虐待や人食い、人身売買に手を染めている」という陰謀論、またはそれらを信じる人たちを指す。信奉者はそうした集団を「ディープステート」(影の政府)とみなし、民主党の政治家やハリウッドスターらが所属していると考えている。
FB投稿には「反ワクチン」「反マスク」
この市議の名は、谷本誠一(65)。1980年代には、後に内閣官房長官や自民党幹事長に就く中川秀直のもとで秘書を務めた。市議には95年に初めて当選し、2019年までに6回、当選を重ねている。
朝日新聞記事によると、谷本は2月5日、講演のために釧路を訪れ、翌6日午前の便で広島に戻る予定だった。だが、義務づけられているマスクの着用を拒み、その結果、降ろされたのだという。
「搭乗拒否は事実上のマスク強制であり、自由を奪う人権侵害ではないか」。同僚の取材には、そう答えている。
私はこの「自由」という言葉…