予定価格の底上げ工作も 医薬品「4大卸」の談合認定、3社に課徴金

田中恭太
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 独立行政法人地域医療機能推進機構」(本部・東京)が発注する医薬品の入札談合事件で、公正取引委員会は30日、医薬品卸大手4社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、3社に計4億2385万円の課徴金納付命令と、再発防止などを求める排除措置命令を出したと発表した。

 3社はアルフレッサ(東京)、東邦薬品(同)、スズケン(名古屋)。メディセオ(東京)も関与していたが、調査開始前に課徴金減免制度(リーニエンシー)で違反を自主申告しており、命令の対象外とした。課徴金額は、アルフレッサ1億7562万円▽東邦薬品1億6189万円▽スズケン8634万円。4社は医薬品卸業界の全国シェア8割を占めるとされる。

 公取委によると、4社は全国の57病院が使う医薬品の納入業者を決める2016年と18年の入札で談合した。落札価格は計約1400億円を超えていた。

見積もり時にも情報交換 「悪質」

 4社は談合行為とは別に、機構から入札の予定価格を決めるための見積もりを求められた際にも情報を交換。利益が十分得られる価格を提示していた。結果、予定価格は引き上げられ、落札率も約99%になっていた。公取委はこの点の再発防止も命令した。

 公取委の担当者は「違反行為の準備的な行為だが、かなり悪質だと認定し、対象とした」と説明した。

 各社は「心よりおわび申し上げます。再発防止の徹底に取り組んでまいります」などとコメントを出した。

 公取委は犯則調査権を使い4社を強制調査し、20年12月に3社を刑事告発。昨年6月には各社がそれぞれ罰金2億5千万円、各社の幹部ら計7人が執行猶予付きの有罪判決を受けた。

 公取委は、今回の4社の系列を含む九州の卸6社が、国立病院機構の入札で談合していた疑いがあるとして、昨年11月に各社に立ち入り検査し、調べを続けている。田中恭太